ベビーテックとは
最近、ベビーテックなる用語が使用される様になりました。このベビーテック(Baby Tech)とは、赤ちゃん(baby)と最新技術(technology)の造語です。情報技術を活用し、子育てや妊娠等を支援する為の製品やサービスの事を指します。この用語が使われる様になったのは、アメリカ合衆国で2016年よりコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)の中で、Baby Tech Awardsが開催されたのが始まりと言われています。
最新テクノロジーで子育てをサポート
では、どの様な場面で子育てを支援するのでしょうか。このベビーテックが活用される様になった背景には、最新技術を駆使しながら子育ての悩みを解消しようとするスタートアップ企業が多数挙げられます。
このテクノロジーには、あらゆる家電製品をIoT化する技術や正確なセンサー類、Wi-Fiを利用した情報の共有等の最新テクノロジーが盛り込まれ、子育て支援に役立てようとするものです。
様々な利便性の高い製品が開発されています
今回で3回目のCESのベビーテックアワードですが、アメリカやヨーロッパにおいてはベビーテックを取り扱うベンチャー企業も多く、乳幼児向けのデバイスの普及が徐々に進んでいます。
今後、さらにこの市場が拡大し、ハイテクを駆使したテクノロジーで家庭や保育の問題を解決していく手段として活用する場が増える状況にあります。
CES各部門の受賞作品
Baby Tech Awards 2018(CES 2018)がアメリカのラスベガスで開催されました。今年で3回目となるショーには、様々なテクノロジーを用いたサービスや製品が評価の対象となりました。
ベビーテックアワードの各部門は、「Baby Eats」、「Baby Learn & Play」、「Baby Safety」、「Fertility & Pregnancy Help」、「Healthy Baby」の5部門あり、各部門はオンライン投票とエキスパートの審査により選出されます。
その各部門において、優勝を獲得した輝かしい受賞作品を以下に紹介します。
Baby Eats部門(赤ちゃんの食事)
BlueSmart miaは、赤ちゃんに与えるミルクをITのテクノロジーを使用して、より便利に安全にする製品です。また、素材はシリコン製で、市販の哺乳瓶に装着して使用します。
まず、基本的な機能は哺乳瓶を保温して、温度を管理する機能が付いています。また、長時間保温したミルクは飲むのに適さない為、警告を発する事が出来ます。
便利な機能として、哺乳瓶を飲ませる適切な角度や飲ませる量などをサポートして教えてくれるアプリを備えています。そのアプリの情報は、スマホで記録をして後で確認する事が出来ます。
ミルクを与え慣れていない方が安心して、赤ちゃんの世話をしてあげられる製品です。
Baby Learn & Play部門(赤ちゃんの発育)
Wordleは、幼児の教育用デバイスです。赤ちゃんの頃でも親の言葉を理解している事が研究により分析されています。その幼児に話しかけた言葉をデバイスが記録し、効果的なアドバイスをしてくれます。
デバイスから収集された言葉の情報は、アプリの機能で評価されスコアを弾き出します。それにより、子供に最適な学習をするための商品を提案してくれる機能を持っています。
この製品を大学と合同で調査した結果によると、幼児の言語能力を約30%程度向上させるのに役立ったと報告しています。
Baby Safety部門(赤ちゃんの安全)
The Cybex Sirona Mは、赤ちゃんの事を最優先に考えた結果、作られたチャイルドシートです。この製品はスマホと同期させて利用します。
自動車の走行中に、子供がシートベルトを故意に外した場合に警告を発します。また、停車中でも一時的に子供を乗せて車を離れる際にシートに異常が検知された際にも同様にスマホに通知されます。
シートの温度を測定したり、長時間乗車した使用時間もスマホで確認する事も出来ます。
Fertility & Pregnancy Help部門(妊活補助)
Eveline Smart Fertility Systemは、妊娠をサポートする女性の為の簡単でストレスの無いデバイスです。スマホのカメラにデバイスを装着し、排卵検査キットで排卵日を特定して計画的に妊活を進めらます。
Evelineの特許技術は、排卵の重要なマーカーである黄体形成ホルモンにスマホのカメラと光を使って色の変化を測定します。 また、適応アルゴリズムソフトウェアは、そのデータを記録して利用する事も出来ます。
Healthy Baby部門(赤ちゃんの健康管理)
Temp Trackは、赤ちゃんに適したパッチ型の体温計です。この製品の特徴は、赤ちゃんの体温を簡単に測定し、体温が一定以上を超えた場合はアラートがスマホに届く設定が出来ます。
赤ちゃんの体温を測定する時、ぐっすりと寝ている時には起こさなければならず、起きていても体温計を嫌がる場合もあります。こちらの製品はBluetoothを搭載しているパッチを脇の下に貼り付けるだけで済むので、手軽に体温を測定出来ます。
また、一度に複数のパッチを利用出来るのも有難い機能です。遠隔で体温をチェックして、体調を管理するといった事も可能なウェアラブル体温計です。
日本においてもブームになる可能性大
日本において、まだベビーテックというワードは一般に浸透しておりませんが、子育ての負担を軽減するテクノロジーのデバイスは間違いなくニーズがあります。
楽しくて便利なベビーテックが日本でブームになる日は、そう遠く無いかもしれません。