東京は日本の首都でもあり、人口も流入して経済も非常に活動的です。そんな東京23区ですが、区によって様々な特色を持っています。そんな一つの側面である年収からランキング形式で紹介していきます。
23位 足立区・・・・・335万円
足立区は23区の中では最も平均年収が低い結果となっています。低いとは言っても、日本全国の各都道府県の自治体で比較すれば、足立区も十分に上位に位置します。それほど、23区の平均年収のレベルが高いことを意味します。
足立区の名称の由来は、武蔵国の足立郡が南北に別れた際の「南足立郡」の町村から来ているそうです。また、車のナンバープレートの足立ナンバー(東京運輸支局)の対象割り当て地域は、台東区・江東区・墨田区・荒川区・足立区・葛飾区・江戸川区となっています。
上野東京ラインが2015年に開業して、利便性が飛躍的に向上しました。主要駅であり繁華街でもある北千住は知名度もあり、これから将来に向けて発展して行く街になるでしょう。
足立区内の町数は268もあり、最多の世田谷区の277に次いで2番目に位置しています。
(写真=江北ジャンクション)
西新井大師・東京武道館・舎人公園・北千住・都立綾瀬公園
22位 葛飾区・・・・・338万円
現代は核家族化が進みましたが、葛飾区は東京23区内では世帯数人員の家族が多い傾向があります。まだ日本の伝統的な習慣や家族の繋がりが強い区なのかも知れません。
葛飾という名称は、今の千葉県市川市付近を中心とする下総国一帯の地域の事を指していたそうです。有名な万葉集にも葛飾という地名が記載されています。
また、葛飾区や江戸川区の一部は近世まで葛西(葛飾の西部)と総称され、現在でも葛西城址公園等として多数、名称が残されています。
(写真=新小岩ルミエール商店街)
柴又帝釈天参道・亀有駅・葛西城址公園・香取神社
21位 江戸川区・・・・・353万円
江戸川区は東京23区内では最も平均年齢が若く、合計特殊出生率も一番の位置にいます。また、子育てがしやすいイメージを持たれ、若い世代の流入が盛んです。
小松菜は江戸川区が発祥の地として知られています。それは、かの将軍であった徳川吉宗が、現在の江戸川区小松川で鷹狩りをしていた際に、味噌汁の具として提供された野菜に「小松菜」と命名した事に由来しているそうです。
小松菜の特産物と並んで、朝顔も栽培が盛んに行われています。有名な台東区の入江で開催される、朝顔市の約7割は江戸川区産とされています。
江戸川区の南部は大半の地域を埋め立て地が占めており、海抜も低い場所が多くあります。奈良時代の正倉院に残されている正倉院文書には、当時のこの地は広大な湿地地帯で、川や沼、池が大半を覆っていた記録があります。
(写真=旧中川河川敷)
葛西海浜臨海公園・葛西臨海水族館・ダイヤと花の大観覧車・江戸川花火大会
20位 荒川区・・・・・355万円
また、南千住地区の商業地域では非常に広い延べ面積での再開発計画が進んでいて、新たなファミリー層などの人口流入が見られます。
以前は、景観があまり良くないとか、良いイメージがあまり無かった荒川区ですが、2015年の共働き子育てしやすい街ランキングで堂々の全国1位を獲得しました。これからの頑張りに期待したい区です。
(写真=千住汐入大橋)
荒川自然公園・南千住・日暮里繊維街
19位 板橋区・・・・・355万円
また、武蔵野台地は富士山の噴火から飛来した火山灰(関東ローム層)が堆積して、この地域の高台を形成していきました。
板橋という地名の由来は、平安時代に石神井川に架けられていた板橋が当時として非常に珍しかった為に地名に使用されたとする説が有力となっています。
板橋区は大田区と並び、都内でも有数の工場が密集しています。工場の他、研究所等の製造に無くてはならない機能が集積しています。
板橋区の特色として、病院の病床数が東京23区内では一番多くなっています。日大・帝京大の大学付属病院や東京都健康長寿医療センター等の大病院が多く、2位以下を引き離しています。
(写真=都立浮間公園)
石神井川の桜並木・諏訪神社・都立浮間公園
18位 北区・・・・・356万円
北区には緑豊かな公園が多く存在し、主なものでも、飛鳥山公園、清水坂公園、赤羽自然観察公園、都立浮間公園などが庶民の憩いの場とされています。
行政は王子が中心地ですが、交通機関は赤羽の利便性が非常に高くなっています。また、北区には下町情緒溢れる十条があり、住宅地も西ヶ原は高級住宅街として知られています。
王子では、かの有名な田園調布の基礎を築いた渋沢栄一氏が創設した洋紙製造を、明治時代に創業しています。現在の日本の王子製紙と日本製紙はこの企業をルーツとしているそうです。
飛鳥山公園には桜が植えられていますが、徳川吉宗が享保の改革の一環として整備・造成を行いました。また、明治時代には日本最初の公園の一つとして指定されました。
旧古河庭園は、1956年に開園した国有財産の都立庭園です。庭園として指定される以前は古河財閥の邸宅として使用されていました。綺麗な薔薇が有名な庭園として親しまれています。
(写真=旧古河庭園)
飛鳥山公園・清水坂公園・赤羽自然観察公園・都立浮間公園
17位 墨田区・・・・・364万円
夏の風物詩とも言える花火大会で全国的に有名なのが隅田川の花火大会です。都心からほど近い距離の高層ビル群に囲まれた中での壮大で華麗な花火は、毎年多くの観光客を惹きつけています。
また、東京スカイツリーは電波塔としてその役目を終えた東京タワーに変わり、世界一高い電波塔として2012年に竣工しました。このスカイツリーには、商業施設や水族館、プラネタリウムなど観光する場所も多く、家族連れでいつも賑わいを見せています。
墨田区の有名な名産品として、江戸切子等のガラス器の製造・加工があります。また、向島にある長命寺の桜餅は長寿寺餅とも呼ばれ名物の一つとして知られています。
墨田区で生まれた偉人として、本所で生まれた葛飾北斎が有名です。北斎は現代においてもよく知られ、その作品は海外に渡りゴッホ等の19世紀のヨーロッパの印象派の芸術家に多大な影響を与えました。
また、文政6年(1823年)に北斎と同じく本所で生を受けた勝海舟は、西洋の知識を学び咸臨丸(かんりんまる)の艦長として太平洋横断の快挙を成し遂げました。そして、高輪の薩摩藩邸で西郷隆盛と会見して大政奉還に貢献しました。
(写真=東京スカイツリー)
隅田川・スカイツリー・国技館
16位 台東区・・・・・404万円
また、上野といえば年末に賑わいを見せるアメ横やかっぱ橋など有名な商店街もあります。毎年、非常に多くの買い物客が年の瀬の風物詩を楽しむ様子がメディアで報道されています。
近年外国の方に特に人気な場所が、浅草に構える浅草寺です。日本の伝統的な寺社建築と近代的なビルの混在した異風な場所は、海外の方にとって異国情緒あふれる風景を醸し出しています。
台東区では、日本で初となる地下鉄が1927年に開業しました。当時のルートは現在の銀座線で、上野から浅草までを結んで開通させていました。開業当初は物珍しさもあって乗車時間がわずか5分程度だったにも関わらず、2時間待ちの行列が出来たとの記録が残っています。
(写真=浅草寺)
上野動物園(公園)・国立西洋美術館・アメヤ横町・浅草寺
15位 中野区・・・・・405万円
また、区の特色として単身者世帯が半数を占めており、20歳代の人口比率も高い統計が出ています。これは、交通の利便性が比較的高い場所にありながら、リーズナブルな物件が数多く存在する場所柄が選択肢として影響していると考えられます。
居住する住宅地が密集して立ち並ぶ中、ある程度広大な緑のある公園はあまり多く存在しません。近年の見られる特徴として、中野ブロードウェイを筆頭にサブカルチャーの発信地として知名度が上がりつつあるようです。
中野区には、哲学堂公園という通常と違った趣きの公園があります。ここには哲学者でもあった井上円了という方が、世界的に非常に有名なソクラテス、カント、釈迦、孔子を讃えて設置したそうです。
(写真=中野四季の森公園)
中野ブロードウェイ・氷川神社・哲学堂公園・レンガ坂
14位 練馬区・・・・・408万円
世田谷区に次いで2番目に人口の多い区です。自然が多く残っており、都営地下鉄大江戸線や東京メトロ有楽町線など、都心にアクセスしやすい場所にありながら、都会のオアシス的な存在に位置付けられるかも知れません。
乗用車の練馬ナンバー割り当て地域は、練馬区、新宿区、文京区、板橋区、中野区、豊島区、北区となっています。
興味深い場所に、練馬区には埼玉県内に西大泉町と呼ばれる飛び地が存在します。学校も練馬区の小中学校に通うことになっており、基本的な行政サービスは練馬区に属しています。しかし、市外局番は048を使用するなど異なった点もあるそうです。
(写真=石神井公園)
としまえん・光が丘公園・石神井公園
13位 江東区・・・・・408万円
急激すぎる人口増加は、居住者の高齢化と建物の老朽化が同時に並行して進展するため、将来への対策が早急に必要となるでしょう。
2018年には、中央区の築地市場が移転して、江東区の豊洲に新市場として開場しました。この点は江東区にとり、市場関係者の流入や市場の発展を考える上で実りある影響になるのではないでしょうか。
その他、有明やお台場などイベント会場や観光地のある臨海部も多くあり、下町風情の残る陸側の表情もある多面的な区と言えます。
(写真=豊洲新市場)
豊洲市場、有明
12位 大田区・・・・・411万円
一方で日本の高級住宅街で知られる田園調布が存在感を放っています。田園調布は大正時代に実業家である渋沢栄一氏が中心となって、イギリスで提唱された理想的な田園都市構想を元にして開発されました。
田園調布駅の駅前広場を中心に放射状に延びる街路は、当時のヨーロッパの都市に見られた特徴をそのまま取り入れた名残となっています。また、主要区画道路の沿道には桜並木が植えられ、春の桜が咲く季節には綺麗な桜を鑑賞することが出来ます。
また、大田区には海外に行く際に利用する羽田空港も整備されています。羽田空港には、天皇・皇族や内閣総理大臣が政府専用機を利用する場合や、国賓や公賓が専用機や特別機で来訪する際の専用施設としてVIP機専用スポットとは別に貴賓室が設置されています。
(写真=羽田空港)
田園調布・羽田空港
11位 豊島区・・・・・425万円
豊島区には、日本初となる超高層マンション一体型の区役所があります。低層階に区役所の機能、高層階に居住用マンションのブリリアタワー池袋がそびえ立っています。このマンションには豪華な設備を有しています。
区内にある学習院大学は、1877年に皇族の為の教育機関として開校に至りました。その起源は、1847年に仁孝天皇が京都御所内で公家を対象として開講された学習所とされています。とても由緒ある大学です。
また、区内の有名な場所として、お婆ちゃんの原宿と呼ばれる巣鴨地蔵通り商店街があります。お年寄りには馴染みの衣料品が数多く揃っており、賑わいを見せています。
(写真=目白庭園)
サンシャインシティ・目白庭園・巣鴨地蔵通り商店街
10位 品川区・・・・・447万円
品川は非常に古くから交通の主要な拠点として栄えてきました。江戸時代には五街道の中でも最大の、東海道の宿場町として発展を続けてきました。
都心からも近く、人気のある観光場所の横浜へも行きやすい立地条件にもあります。近年は高層マンションも増えましたが、未だに数多くの緑の多い環境も一部に残っています。
東京運輸支局の品川ナンバーの管轄エリアは、品川区、千代田区、中央区、港区、渋谷区、目黒区、大田区等となっています。
商店街では、有名な武蔵小山や戸越銀座があり、自由が丘や二子玉川もお洒落な街として若い世代を中心に人気があります。
区の名称である、山手線の品川駅は品川区内ではなく、港区高輪にあります。この品川駅には、現在建設中のリニアモーターカーの始発駅として開発が進んでいます。
(写真=品川オフィス街)
武蔵小山、戸越銀座
9位 杉並区・・・・・449万円
杉並区の名前の由来は、江戸時代に領主が青梅街道沿いに植樹された杉並木を指したことに始まったそうです。残念ながらこの杉並木は、現在には残っていません。
地形的には、地盤のしっかりした武蔵野台地の上にあり、全体的に高台地域にあります。明治・大正時代は東京市15区に含まれない多摩地域に属していました。
杉並区は、ご当地ナンバーである杉並ナンバーが交付されます。
光明院は杉並区にある寺院で、創建は奈良時代以前と伝わっています。
(写真=馬橋公園)
阿佐ヶ谷神明宮、井草八幡宮、玉川上水、馬橋公園
8位 新宿区・・・・・501万円
東京都庁の所在地のある区です。副都心の近代的な超高層ビル郡が新宿駅の西側一帯にそびえ立ち、東側には世界有数の繁華街・商業地区が広がっています。
中でも新宿駅は世界で最も乗降客数の多い駅としてギネス記録を認定されています。各系統の路線があり、多くの乗客で混雑しますが交通のアクセスは非常に便利になっています。
新宿にある新宿御苑は、都心のオアシスとして広大な敷地面積を有しています。元々は皇室の庭園として造成されました。戦後、国民公園新宿御苑として今では庶民に親しまれています。
(写真=西新宿サインリング)
東京都庁・新宿御苑・歌舞伎町
7位 世田谷区・・・・・534万円
しかし、現在は羽田空港等の埋め立て拡大を進めつつある大田区にその座を譲り渡しています。
世田谷区のナンバープレートは、賛否両論を巻き起こした世田谷ナンバーが交付されます。
商業施設のある人気スポットとして、下北沢、自由が丘、二子玉川、三軒茶屋等が多く挙げられます。人口も多い分、待機児童の問題が大きく、今後の行政の課題として残されています。
(写真=多摩川橋梁)
成城・深沢・下北沢・自由が丘・二子玉川・三軒茶屋
6位 文京区・・・・・575万円
区の南側には商業地区もある程度見受けられますが、そのほとんどは住宅地が多くを占めます。また、六義園や後楽園、小石川植物園等の歴史のある日本庭園や公園が沢山あります。
文京区で有名な場所では東京ドームがあります。試合がある日は、お気に入りのユニフォームを着た応援サポーターの姿を電車のホームでも見ることができます。
興味深い歴史として、弥生時代の名前の由来でもある弥生土器は、向ヶ丘弥生町(現在の弥生一丁目)から出土されたと記録されています。非常に古くから、この地に人が住んでいた歴史を物語っています。
(写真=東京ドームと後楽園遊園地)
後楽園・東京ドーム・六義園
5位 目黒区・・・・・587万円
区は武蔵野台地の南東部にあり、目黒川や吞川の谷が地形を形成しています。目黒川の桜並木は有名な観光場所で、毎年多くの花見客で賑わいます。
目黒区の特徴として、30代から40代の女性が住む比率が23区内で一番高い統計が出ています。それは、このエリアに憧れを持つ働く女性が多い事を裏付けています。
有名な観光地としてお洒落なイメージの自由が丘があります。ファッションや雑貨、インテリアなど色々なお店が軒を連ねています。スイーツもメディアでたびたび取り上げられています。
(写真=目黒川)
目黒川(桜並木)・祐天寺・自由が丘
4位 中央区・・・・・595万円
中央区には一大商業地域の銀座や日本橋などがあり、非常に多くの観光客や買い物客で賑わっています。
その歴史を紐解くと、日本橋や京橋は江戸時代から下町として栄え、東側に位置する場所は埋め立てによって敷地を拡大してきました。
区の中央部には道路の起点である、日本橋が1603年に架橋されました。現在、日本橋の上空に掛けられている高速道路は地下に移動する計画が進められています。
また、人口減少傾向が続いていましたが、近年は東京湾近くのタワーマンションが多く建設されて人口回帰が見られるようになりました。
(写真=銀座)
銀座・日本橋・歌舞伎座・浜離宮庭園・ブリジストン美術館・水天宮
3位 渋谷区・・・・・736万円
対して、大人の街としてお洒落なイメージが先行する恵比寿や代官山などを擁しています。
また、高所得者の多く住む高級住宅街である広尾や松濤があり、緑豊かな代々木公園には明治神宮があります。
(写真=渋谷スクランブル交差点)
渋谷駅・スクランブル交差点・109・原宿・恵比寿・代官山・広尾・松濤
2位 千代田区・・・・・848万円
地域の特徴として定住人口が極端に少なく、昼間の時間帯に通勤や通学をする人口は急激に増加します。ただ、近年は定住する人口を徐々に増やしています。
その理由として、福祉・子育て分野の充実、高校生までの医療費助成など行政のバックアップが高い事が挙げられます。
(写真=国会議事堂)
皇居・東京駅・国会議事堂
1位 港区・・・・・1,023万円
また、ビジネス街としての色彩も強く、新橋や浜松町などの地名が挙げられます。各国の大使館も多く、特に欧米系の方が好んで港区を住まいとしています。憧れのステータス性の高い地域です。
情報も集積地区として確固たる地位を占めており、民間放送業のテレビのキー局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)の本社は全て港区内にあります。
従って、広告代理店や芸能事務所等も必然的に多く存在します。港区の象徴的な場所として、2003年に六本木ヒルズがオープンしました。その当時、インターネット関連の大企業がこぞって六本木ヒルズに入居し、ヒルズ族という社会現象まで巻き起こしました。
六本木ヒルズが開業して以来、この地区に富裕層が多く住むようになり、地価の上昇と知名度を飛躍的に上げていきました。
(写真=東京タワーと高層ビル)
東京タワー・六本木ヒルズ・赤坂・青山・麻布・六本木・白金台・高輪